2005-03-26

お彼岸過ぎても極上パウダー

 彼岸を過ぎてすっかり下界は春めいてきていたが、ここへ来て冬に逆戻りしたような天気。とはいえ雪と言ってもしょせん「春の淡雪」、大したことはなかろうとタカをくくって旭岳温泉に向かう。ところがエオルシ・トンネルを抜けたあたりから景色はまるで真冬。標高が高くなるにつれて路面の雪は多くなり、ビジターセンター付近では20センチ近い新雪が積もっていた。とりあえず車を止め、除雪中の職員・Tさんの手伝いをしてから入館する。昨夜からの積雪は40センチだという。さすがに"大雪"山である。
 身支度を整え、「いで湯号」で到着したOさんと二人でスキーコースに出る。登山道入り口で積雪は2メートル70センチ。この冬見たなかでいちばん深い積雪深だ。
 30分ほどスキーコースを登り、第一天女が原の"森の主"(アカエゾマツ)の裏から深雪のなかへ入る。いきなり膝までの積雪。場所によっては膝上まで雪に埋まってしまう。本州では桜の咲いている場所もあるのに、天女が原の雪質は極上のパウダーだ。気温もマイナス5℃以下だろう。日本も以外に広い。
 積雪のおかげで、いつになく低くなった"お化けダケカンバ"の前でお昼にする。一月に来たときより樹高が1メートルほど低くなっているのは、それだけ雪が多くなったためだ。例年旭岳山麓の雪がもっとも深くなるのは三月下旬から四月上旬というのが、この例からも納得できる。
 昼食の後は今シーズンたぶん最後の極上のパウダースノーを思う存分ラッセルして、ワサビ山へ向かう。ちょっと吹雪いて視界は悪いが、期せずして厳冬期の森の景色を目の当たりにする。しばらく展望を楽しんだ後は、ワサビ沼まで一気に下り、クロスカントリーコースへ。パウダーの余韻を楽しみつつ、コース上をゆっくりとビジターセンターへ戻った。

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