2011-10-19

沢・薮・泥壁を越えて無類岩山へ

もう随分前から熱烈なリクエストをいただいていたのもかかわらず、あまり気が乗らず後回しにし続けてきた山、無類岩山。北大雪は武利岳のすぐ隣にあり、標高1600mを超えるそこそこの高峰です。ただ、登山道がないので一般的に登られている山ではありません。山名も聞いたことないという人の方が多いのではないでしょうか。

一念発起する意味もあり、今年は秋山ツアーの目的地として設定したので下見に行ってきました。相変わらずのツアー前日泥縄下見です。

峠越えの林道から見る無類岩山。山頂部にうっすら白い雪が見えています。もっと積もっていて半雪山状態と考えていたので、意外に少なく感じます。

武利岳登山口に向かう林道を左に分け、わずかに進むと林道終点です。ちょっとした広場になっているので余裕を持って車を駐められます。

広場左を流れる沢に入り進んでいきます。放射冷却で冷え込んだ空気に身を引き締めつつ、苔生した岩を伝います。

30分ほど進むと右手に作業道が近づいてきたので一旦沢から出ることに。これもしかして車を駐めた広場から続いてきてるのかも・・・。

帰りに確認するとまさにその通りで、かなりの時間短縮になりました。

作業道がついえるところで再び入渓。流れはさらに小さくなっています。ここからしばらくは朝陽が直接射し込む方角。秋にしては暖かい陽を背中にもろに受けて緩やかな傾斜を進みます。

顕著な三股を過ぎると沢の方角が変わり、一転して日陰となります。標高が上がったこともあり、うっすらと雪が残っていました。ここから顕著な二股に向けて徐々に傾斜を増しながら登っていきます。

ちなみに今日の足下は夏山登山靴+防水靴下を選択。このあたりは岩が滑りやすいので、季節が季節なら沢靴のほうが歩きやすいかもしれません。

二股を越え、水流がなくなり、沢形が不明瞭になると、突然現れる笹の薮。あまり密ではなく、そう太くもないので薮漕ぎとしては楽な部類ではあるのですが・・・

なにせ滑りやすい。傾斜のある泥壁の上に落ち葉が降り積もり、さらにその上にうっすらと雪が乗るという三重苦。これは沢靴なんかでは歩けるわけもありません。登山靴で良かった。というか登山靴でもずるずる滑りました。

大変な区間は標高差にして200mくらい。笹薮帯を抜けると、ダケカンバ林になりそこから山頂へは間近。

山頂部は薄いハイマツ帯。今までの急登とは一変し優しげな山頂です。薮漕ぎに少し手こずりますが、全部で3時間はかかりません。

1m四方が刈り払われている山頂には三角点が置かれています。

山頂から間近に見る武利岳が圧倒的に格好良いです。

山頂から西方面。武利岳・ニセイチャロマップ、奥に屏風岳、さらにその奥に雲から覗く表大雪。

山頂隣のピークから東方面。低い丘陵がゆるゆる連なる伸びやかな風景です。

展望抜群。こんな素晴らしい山なら、 もっと早く来ておけば良かった・・・。

2 件のコメント:

もたれつ  さんのコメント...

山頂から西方面。
もう少し右に支湧別岳があるのでしょうか?
そして、屏風岳の手前の右左は、分からないのでカシミールで調べてみました。
町界尾根から派生する1668mと1630mなのですね。
ニセイチャロマップ、屏風とともにいつか行ってみたい所です。
(懐かしい表大雪はあるらしいという程度ですね。)

まずは、二つのリベンジから。
一つはオリジナル・ツアー、もう一つはプライベート・ガイドかな。

体力増強中。
あとは「熟年性痴ほう症」とか、「ウツ」(いやソウかな)とかにならないことですね。

DOEI Takuma さんのコメント...

支湧別岳は山頂から北に続く尾根が邪魔をして、ちょっと隠れる感じです。見えることは見えるのですが。