2007-12-13

九州山行8日目 霧島連山1

12月1日(土)快晴一時ガス

5時40分発の電車に乗り、霧島神宮駅に着いたのは6時30分。まだ暗い時刻なのは当然としましょう。九州の日出の遅さにはもう慣れました。でも、どうしても我慢ならないのが、寒いこと、なんです!

雲のない空には星がきらめき、放射冷却でぐっと冷えたことがうかがえます。山に近い分標高も高く、気温そのものが低くなっているようです。そしてその寒さをあろうことか駅舎の造りが倍増してくれていました。どうして入口と出口に“戸”がないんですか?広い開放部から外の空気がひゅーひゅー入り込んでびょーびょー抜けていってますよ?室内にいるというのに外気温とまるで違いがありません。「部屋の中は暖かくて当然、どんなに寒い日でも建物の中にさえ入ればぬくぬくできる」そんな道産子の常識は世界の非常識だったというのでしょうか!?

そういえば鹿児島でもらったパンフレットに「霧島神宮駅併設の足湯にぜひお入りください」みたいなことが書いてあったっけ。駅舎は頼りにならないから足湯で暖まろうか・・・と向かった先で、またしても驚愕の事実。湯船にお湯が入ってない!どちて?まだ時刻が早いから?期待した分落胆も大きく、空の湯船の寒々しさがいっそう身に応えます。

登山口行きのバスが出るのは8時。それまで1時間半、この寒空の下どうやって過ごせばいいのか・・・。着られるものを全部着こんでもまだ寒い早朝の霧島神宮駅。とりあえず自動販売機であたたかーい飲み物を手に入れよう・・・。

そんなとき、タクシーの運転手さんに「乗らないか?」なんて言われたら、ふらっとついていきそうになるのも仕方がないことです。しかも「5千円以上かかるけど、2人で4千円にまけとくよ」と言われたら。ん?2人?確か私は一人旅をしているはずだけど・・・。運転手さんは、どこからかもう1人の登山者を見つけてきていて、2人まとめて登山口まで連れて行ってくれるそうなのです。

50分近くかかる登山口まで2000円。バス代よりは確実に高いでしょうが、バスを待つよりも1時間早く歩き出せます。せっかく天気も良いことだし、とっとと登山口まで行くのが得策でしょう。よし、乗る!

島根からの出張ついでに登りに来たというおじさんと乗り合わせ、えびの高原に向かいます。道々これから歩く新燃岳や高千穂峰が車窓を彩り、歩行欲をかきたててくれました。ちょっと気になったのが韓国岳の山頂付近だけ雲がかかっていること。これから気温が上がれば消えてくれるかな。なんといっても霧島連山縦走は今回の旅の目玉です。屋久島は雨でもかまわないから、霧島だけは晴れた日に歩きたい、そう思っていました。だからお願い、雲よ晴れて。

運転手さんの言うとおり50分でえびの高原の登山口に到着。快晴の土曜日だけあり、車道脇の駐車帯にはすでに何台もの車が置かれています。鹿児島ナンバーに宮崎ナンバー。地元の人たちはすでに大勢山に入っているようです。私もいざ、出発しましょう。

遠くから見たとおり、登山口付近は晴れていましたが、5合目を越えたあたりですっかり雲の中に入ってしまいました。夜は相当冷えたのでしょうか。びっしり白いものが植物を飾り立てています。駅が寒かったのも当然ですね。

雲が晴れることを願って、いつになくゆっくりゆっくり登ったのですが、韓国岳山頂に至っても残念ながらあたりは真っ白なまま。ここから獅子戸岳・新燃岳・中岳・高千穂峰と、火山地帯を行く縦走路を眺められるはずだったのに。諦めきれず天気待ちすることにしました。今度いつこの山に来られるかわからないのです。しかも今日は基本的に天気は良いのです。

30分待ってもガスは晴れず、さすがに諦めて縦走路を下りかけたそのとき。するすると雲が切れ、はるか高千穂峰が端正な姿を見せてくれました。この荒涼とした感じ、これこそ求めていた山景色なのです。

とはいえ、全部が全部岩や砂の道というわけではなく、ちょっと標高を下げるとこんな灌木帯があったりして変化を加えてくれます。

そしていよいよ核心部。新燃岳の火口壁は、こんなに伸びやかで景色が良くて平らかに続くトレイルがあるものか、と思わず歩きながら嘆息するほど。いつまでも歩いていたいと思わせてくれます。ぽかぽか陽光を浴びてこんな道を歩けるなんて、ぼかあ幸せだなあ。

ゆっくり30分ほどかけて火口壁を半周し名残惜しくも振り返ると、神秘的な色あいの火口湖が見送ってくれます。ああ本当に素敵なひとときでした。山登りしていて良かった。

なんて感慨に耽っていたら、まだこの先にも素敵なトレイルが続いているじゃありませんか!まだ僕には歩ける所があるんだ。こんな嬉しいことはない。

道は中岳へ。その奥に高千穂峰。このゆるゆると続く感じが何ともたまりません。自然と顔はゆるんでくるし、歌い出したくなるくらいごきげんです。ふんふんふーんとなんだかよくわからない鼻歌を奏でながら、とんとんとんと快適に足が進みます。

中岳からはようやく高千穂峰の全身を見ることができます。ここから一度高千穂河原へ下り、キャンプ場で一泊し、これまた天気の良さそうな明日、高千穂峰へ登って反対側へ降りていくという予定です。

ああもう何もかもサイコーだ!LOVE霧島!

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

霧島に愛を感じちゃったのね(笑)

どーちて、足湯にお湯入ってないんでちょうね?(移りました。)
但し書きで、入ってない日が多いかも?もし入ってたら、つ・い・て・る(ハート)と書いてあったらいいのに。

でもそんな驚愕なプロセスがあって、最高のプレゼントが待っていたのも神様の悪戯ね。

DOEI Takuma さんのコメント...

そうです、ラブですアムールです。
あれでもっとスケールが大きければ、大雪山にも匹敵するほどのラブになったことでしょう。

足湯はきっと営業時間みたいのがあるのでは?
6時半はまだ早かったのです、きっと。