北海道で「旭岳」というと、まず誰の頭にも北海道最高峰のあの旭岳(標高2290.9m)が浮かぶことでしょう。でも、同じ大雪山国立公園内にもう一つ旭岳があることはあまり知られていません。十勝連峰の南端に位置する旭岳(標高1334.8m)がそれです。正確に言うと、知っている人はそれなりに多いのですが、どうしても「有名じゃないほうの旭岳」という扱いを受けています。比べると標高は1000m近く低いし、百名山ではないどころか登山道もないし、ロープウェイや温泉街もないしで、知名度の低さもやむを得ないところではあります。
ところがマイナーなほうの旭岳(標高1334.8m)は、こと三角点名に限っては由緒正しい名前なのです。北海道最高峰・旭岳(標高2290.9m)の山頂に置かれている三角点名は「瓊多窟」で、十勝連峰・旭岳(標高1334.8m)の山頂に置かれている三角点名は「旭岳」だからです。
しかも三角点設置は大正6年(1917年)と古く、これは、小泉秀夫がかの有名な北海道中央高地地学的研究において大雪山の山名を整理する1年前です。有名な旭岳(標高2290.9m)の山名は和人による発見以降二転三転していますが、最終的に「旭岳」と固定化され広まる前に、マイナーな旭岳(標高1334.8m)は既に「旭岳」だったわけです。
思わず力説してしまいました。 判官贔屓というヤツでしょうか。
それはともかく、マイナーな・・・いえ由緒正しい旭岳(標高1334.8m)からの眺めをどうぞ。間近に前富良野が聳え、そこから左手に山列を流して富良野岳・美瑛岳・美瑛富士・扇沼山・白雲岳・有名な旭岳(標高2290.9m)・安足間岳と続きます。絶景です。
こんな絶景の山、マイナーなままでいるのはもったいないような気もしますし、このまま知られずにいてほしいような気もします。
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